お寺の涅槃図展

相川には、市街地周辺で無住のお寺を含め40近くの寺があります。

そしてそれぞれのお寺には涅槃図と呼ばれる仏絵が保管されています。

 

お寺それぞれに涅槃図があり、ひとつひとつ見てみると、少し違ったり、江戸時代の見応えある涅槃図が多く保管されています。

 

ひなまつり期間中に、相川市街地中心の10ヶ寺近くで涅槃図を自由に見てもらえる機会を作りました。(寺によって公開日時は異なります)

 

相川のひなまつりはもともと旧暦で行われていましたが、昭和後期からは新暦で祝う家庭が増えました。3月のひなまつりと、旧暦のままで行っている涅槃会が一緒の時期にやっている・・・現代は少し不思議なことになっているようです。

 

ぜひ、お寺ひとつひとつを歩いて巡って、ご住職や地域の方からお話を伺ってみて下さい。きっと金山の隆盛当時の雰囲気が見えてくるでしょう。

 

***涅槃図とは*****

 

お釈迦さまが入滅(お亡くなりになる事)した時の様子を描いたものです。お釈迦さまが入滅されたことを「涅槃に入る」ということから、この絵を涅槃図といいます。

 

寺院では、お釈迦さまが入滅したとされる2月15日に合わせて涅槃図を飾り、お釈迦さまを偲ぶ法要、涅槃会を執り行います。

 

涅槃図はお釈迦さまの入滅という悲しみの中にも、仏教画としての荘厳さを保たなければなりません。さらには、命の終焉を描くと共に、教えの永劫性を表現することが求められます。このような、一見すると矛盾する課題を仏教の教えに沿って一枚の絵の中に凝縮させていったものが涅槃図です。

 

お釈迦さまのお姿は、仏教徒の理想の姿として描かれてきました。涅槃図もまた、理想の死の在り方が示されています。涅槃図を読み解くことは自分自身の死の在り方を考えることであり、死を見つめることは今を生きることを見つめ直すことでもあるのです

 

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♪お寺での鑑賞のヒント♪

 

・涅槃図展に参加していただいているお寺は、ご住職がいらっしゃるお寺です。

 ひとこと声をかけていただくと、嬉しいです。

 

・涅槃図やお寺の歴史について、ご住職に伺ってみて下さい。いろいろ教えてくれます。

 

・相川のお寺は、江戸初期のゴールドラッシュにより全国から集まった人々が開いたり、急激な人口増加で必要とされたお寺が多く存在します。全国から集まったので、さまざまな宗派があります。

 

・寺のものにはなるべく触れないように鑑賞をお願いします。

 

・靴を脱いで、中に入って鑑賞できるお寺では、靴をそろえるなどの配慮をお願いします。

 

・心穏やかに、静かに鑑賞しましょう。

 

以上のことを心がけてくだされば幸いです。よろしくお願いします。

展示期間が限定されているお寺がありますので、ご確認の上、お越し下さい。

 

(涅槃図は江戸時代の大変貴重な物もありますので、展示に関しては期間などを限定して公開しております。何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。)